長野県(北信)の方言 「よっくよく」とは

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ちいこ
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長野県の方言(主に北信弁)のプロフェッショナルである、私の父と母(じやんとばやん)が楽しく北信弁の使い方をご紹介します!

「よっくよく」の意味

  • 「よくよく」と同じ意味
  • これ以上ないくらいに(すっかり、本当に、ほとほと、ものすごく、非常に、とても、どうしようもないくらい)
  • とても古い、とてもボロボロ、非常にひどい状態

「よっくよく」の使い方

  • よっくよく くたびれた。 → 本当にほとほと 疲れた。
  • よっくよく太っちまって、ズボンが入らない。 → ものすごく太ってしまって、ズボンが入らない。
  • このカーテン、へー よっくよくだから、新しくしねかえ。 → このカーテン、もう 古くてボロボロだから、新しくしないかい?

「よっくよく」の例文

例文 その1

じやん
じやん

きんなは、孫4人連れて動物園行って来たんだけんまーずてんでに好きなとこ行っちまって、よっくよくくたびれたださ。

昨日は、孫4人連れて動物園行って来たんだけどまったくもう一人ひとり好きなところに行ってしまって、どうしようもないくらいにすごく疲れたよ。

例文 その2

ばやん
ばやん

今日の親戚一同の集まりは、久しぶりにみんな揃って、まーんで楽しかったなえ

今日の親戚一同の集まりは、久しぶりにみんな揃って、本当に楽しかったですね

じやん
じやん

さけん、ポン助に10年ぶりっくらいに会ったけんよっくよく立派になったなえ

それはそうと、ポン助に10年ぶりくらいに会ったけどものすごく立派になった

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例文 その3

じやん
じやん

へーよーっくよくまいった。

もう本当にほとほと まいった。

例文 その4

ばやん
ばやん

このかっぽう着、30年着続けてへー よっくよくわ。

このかっぽう着、30年着続けてもう ボロボロだわ。

じやん
じやん

ホントに、よっくよくなえ

ホントに、どしようもないくらいボロボロだね。

「よっくよく」は「まーんず」「まーんで」と置き換えても同じ意味

「よっくよく」という言葉は、何かを強調して言い表すときの、「ものすごく」とか「本当に」とか「非常に」などと同じ意味で使われます。それとほぼ同じ感覚で、「まーんず(まーず)」と「まーんで(まーで)」という言い方もあります。
どれも、信州の年配の方々は、毎日のように使っている人気ワードです。

「まーんず(まーず)」は、男性が使うことが多く、「まーんで(まーで)」は、女性が使うことが多いです。

逆に「まーんず」「まーんで」は「よっくよく」に置き換えられない場合がある

「まーんず、きれいだ。」「まーんで、おいしかった。」など、まーんず、まーんでのあとに、プラス言葉(気分が上がる言葉)が来る場合は、「よっくよく」に置き換えることが出来ません。
「よっくよく」の後に続く言葉は、ほとんどの場合、マイナス言葉(気分が下がる言葉)が入ります。
ですが、【例文 その3】のように、「よっくよく 立派になった」のように、プラス言葉が来る場合もあるので、やっかいです。
実は、私もその違いがよくわからないのですが、よっくよくのあとに、プラス言葉が来る場合の見分け方として、想像していたのと全然違っていて非常に驚いた場合に、「よっくよく」が使われるのではないかと思います。

「よっくよくだ」という言い方

【例文 その4】のように、「よっくよく」には、「よっくよく〇〇だ。」という言い方の他に、「よっくよくだ。」という言い方をする時があります。
このときは、「ひどいありさまだ。」「とんでもないくらいダメだ。」など、非常にダメな状態を表す言葉になります。

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