本番の前日、子どもたちの練習が15時で終わり、助弥と母の居残り練習。
これは毎年のことです。
朝からリハーサルで疲れているだろうに、外が暗くなるまでみっちりお稽古しました。
そして、スタッフは大急ぎで会場・舞台を作っていきます。
長野舞台さんの照明の設置も終わり、全て整ってから、照明合わせ、立ち位置合わせ・・・この作業が何より大事で、何より時間がかかり、一番盛り上がる(?)時間です。
疲れがとっくにピークを越えている状態で、スタッフが演者となり、はじめから最後まで演じながら、照明をどうするか決めたり、立ち位置・大道具の位置を決めてバミります。
これを保存会では、「大人のにとはち」と呼んでいます。
全て終わったのは、、、、
夜中の1時半( 一一)。。。
しかも、この日は寒かったぁー。
さて、本番当日の朝を迎え、子どもたちは元気に体育館に来てくれました。
一人、風邪症状があるとのことで、昨日のリハーサルも休み、今日の入り時間も1時間遅れて来た子がいましたが、良かった!(^^)!元気そう。
インフルエンザに感染してしまった M・Hな の分も、今日は全力を出し切ってがんばるぞ。
着替え、メイクを終えゲネプロ。
2回やりたかったけど、時間が足りなくて1回のみ。
監督から
「流れるような芝居だった。これは褒めてるんじゃない。ただやってるだけのつまらない芝居だった。」
と言われた子どもたち。
でももう、練習時間なんてない。あとはもう、時間が来れば本番です。
ゲネプロが1回だけだったので、割とお昼の時間はゆっくりととれ、みんなでまるくなって、
すき家の牛丼を食べました。
もう、1時には外にお客様が並び始めていました。
さあ、1時半にはお客様が入ってきます。
ドキドキ・・・・
開場5分前、演者、スタッフ、花束贈呈係の保護者全員で円陣を組み、
座長の助弥の
「にとはち!ファイト-」
に続いて、みんなで
「おーーーーーーーーーーー!」
いよいよです。
お客様が入場してから、開演までの30分間は、子どもたちは舞台の幕の中と、袖にスタンバイして待ちます。
ここで、静かにじっと待つのがなかなか大変な子どもたちです。
観客を入れての公演は3年ぶりの「にとはちさま」。
それでも、こんなにたくさんのお客様が、会場に足を運んでくださいました。
開演時間が、刻一刻と近づいてきます。
時は待っちゃくれないんです。
子どもたちだけじゃなく、スタッフだって緊張してます!
大道具の転換、早着替え、スタッフがこの子たちの舞台を台無しにしないように、全力で臨まなくては。
さあ、いよいよです。
Mざわさんのなめらかな司会進行と、会長の挨拶、、、
そして、
「お待たせいたしました。にとはちさま、開演です!」
場内に開演を知らせるブザーが、鳴り響きます。
にとはちのテーマソング?「Say Anything」が流れる♪
そろそろ前奏部分がおわるよ、、、
さぁ、行け!!!
急遽、子ども3をやることになった母役 Aみ の下校風景のしゃべり出し。
それに続く、ほかの子どもたち。
あー!明るい声。
もうこの子たち、大丈夫だ。
やった!!!「猫八様」でクスっと観客の笑い声が聞こえた!
オープニングの子ども5人のシーンで、完全に観客をこの演劇の世界に引きずりこんだよ。
続いて、善光寺の裏庭のシーン。
村人Aの怒りが爆発するところから始まる。
今回の村人Aの Aや は、かわいい顔してるのに性格が勇ましい。
だから配役会議では、文句なしで村人Aは Aや に決まった。
大正解だった(´艸`*)
いや、村人Aだけじゃない。
今回の配役、全てみごとにピッタリしっくり合ってた。
伝兵衛、吉兵衛、村人B・C。
正直言って、伝兵衛以外の3人は、心配な3人だった。
じっと話を聞くことが出来ないし、
すぐふざけ始めるし、、、
それがですよ。
すごい演技見せてくれましたな。
実際、袖にいた私は見ていた訳じゃないけど、声だけ聞いてただけだけど、
すごいの伝わって来たよ。
鳥がバタバタ・・・
助弥の登場だ。。。
今回の座長、助弥役のHる。
これまでのにとはちも、自己紹介や、今までの数々の発表の場での姿だけじゃなく、
休み時間や、練習中の姿を見て、助弥候補が自然と上がって来るんです。
私も、結構早い段階から、助弥は Hる って思ってた。
配役会議では、意見が割れたんだけど、
Hる で行こう!って決めた。
3年生の主役は、保存会にとっても初めての経験なわけで、
心配がないわけではなかったんだけど。
Hる を信じて、助弥を Hる に託したんだけど、
どうにも、イメージ通りの助弥に仕上がらなくて、
公演三日前になっても、堂々とした助弥には仕上がっていなかったんだよね。
公演前日は、インフルエンザが近くに溢れていて、
もう、公演が出来さえすればいい。っていうレベルになってしまっていた。
助弥は鼻声だし、手足が真っ赤になってブルブル震えていたから、
熱が出るんじゃないかと心配したよ。
声に張りがないし、一段と弱々しい助弥に見えた。。。
だけど、お弁当を食べて体が温まったのか、
午後のリハーサルでは、声も出てたし、
私達が目指していた Hる の助弥が見えた!
出来るんだから。それ、本番で出してくれ!!
そして、、、
助弥登場!
「心配いらねぇ。下高田村の助弥だ。」
来た来た!
あー、この舞台、成功だ!!!
この時、確信できたのは、私だけじゃなかったはず。
もう、心配いらねえ。
舞台の裏方にいるスタッフ、OB・OG、音響、カメラマン、そして体育館の一番後ろで見守る監督。
みんな同じように思ったはず。
名主様たちの前で、一生懸命説得しようと頑張る助弥と、
5、6年生がいる中で、座長となって頑張る3年生の Hる。
重なる。。。
母のシーン。
今回の Aみ の母の演技は、何度見ても込み上げて来ちゃう。
「お前はこれから大きな仕事をするんだ。」
ってところで、私はいつも耐えられなくなる(TT)
なんでもないセリフのようでいて、こんなに心揺さぶられるのはなんでだろ。
そして、仏壇に向かって話しかける母の姿がヤバすぎて、、、
本番の母のシーンは、私は役人の着付けで忙しくしていて、ぜんぜん聴いていられなかったんだけどね。
きっと、会場のお客さんも母のシーンで涙した人たくさんいたと思うな〜。
母のシーンが終われば息つく暇もなく、Aみ は子ども3に着替えて子どものシーン。
さすがに昨日の今日なので、台本は持ったまま演じたわけだけど、大変だったよね。
すっごい経験しちゃったね♪
役人。
代わりばんこに休んでて、なかなか3人が揃って練習できなかった。
役人B、Cの棒さばき、うまくなったもんだよねー。
「何をする気だ!」の棒を交差するのが、最初ちっとも出来なかったのに。
ここの役人のシーン、アクシデント続いたけど。。。
なんとか乗り越えたね。
役人Aの最初のセリフ、、、
あそこで、引きずらずによく持ち直したなぁ。って監督が言ってたよ。
役人Aの Nな は、劇団員の中で1番声が通る。
迫力ある「打首を申し渡す!」
が、体育館中に響き渡ったね。
打首のシーン。
どうしても見たくて、袖から出て動画撮っちゃったよねー。
あれ?Tまき!!
刀の刃の向きが・・・(;^ω^)
気づけ!気づけ!って念を送ったけど、、、
ま、いいじゃないか。
「劇団古牧」っぽいところが一カ所くらいあった方が。。。
ね(^_-)-☆
「いいか!にとはちだぞ!!!」
この時の Hる の叫び、いつからか急によくなった。
村人と、子どもたちの叫びも、ホントよかった。
あんなにヘボかったのにさ、
本当に本当に最高でした。
首を斬られた後の、助弥は体育館の外へ出て、器具庫の扉から、そぉーっと体育館の一番後ろにスタンバイする。
私も助弥に付いて一緒にこの場に来るので、唯一最後の子どものシーンだけ、会場で見ることが出来るんだよね。
子どものシーン、一人が早口になると、みんなつられて、めちゃめちゃ早くなっていっちゃうんです。
普段うまくいってても、本番になると、早くなってしまうケースが過去何度も何度もありました。
でも。この子どもたちは、安定してたなぁー。
なんて素晴らしいエンディング。
そして、なんて素敵な「Say Anything」♪
この曲じゃなきゃ、「にとはち」じゃない。ってくらい、ピッタリだよねぇ。
さ、また Aみ は子ども役から母役に一瞬で変身して、
舞台に並んで助弥を呼びます。
「助弥さーん!」
「おーい!」
手を振りながら走る助弥。なんて可愛いの♡
「ありがとう ございましたっ!」
この Hる の独特な言い方。
これまた、すごく可愛い♡
涙止まらんじゃないの。
って今また思い出しながら涙止まらんじゃないの。
毎回、感動するけど、
毎回、思うんだけど、
こんなに感動することあります???
過去最高のにとはちだったよ。マジで。
本気でそう思ってます。
お客様たちも、泣いてる人めっちゃいたよ。
「本当に、いいものを観た。」
って言ってくださってたよ。
5月。劇団員が集まらないと学校から連絡を受け、
ひゃー( ゚Д゚)!!っとなって、急遽3年生まで拡大して募集した、
今回のにとはちさま。
みんな、「にとはちさま」が何なのかも、わからずに、
参加してくれたんだよね。
よく、やろうと思ったね。
本当に、本当にありがとう。
「にとはちさま」を受け入れてくれて、
私らスタッフを受け入れてくれて、
最後まで、がんばってくれて、
そして、いつも
楽しそうに練習に来てくれて。
うっちゃんも、めちゃめちゃ楽しかったよ。
もう、来週からみんなに会えないなんて、すごく寂しいです。
プーさんも同じことラインでぼやいてました。
来年の緑ヶ丘小学校で待ってます(^^♪
そして、3年生は3年後、
一緒にまたにとはちが出来たらいいな(^_-)
それから、それから、
M・Hな!
ここまで練習して来たのに、悔しかったよね。
今日の公演は、14人になっちゃったけど、
みんなは M・Hな の思いを背負って舞台に臨んだんだよ。
だから、今日の「にとはちさま」は、15人で作った「にとはちさま」なんだよ。
みんなに、また会えると信じています。
その日まで、バイバイ(^^)/
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